児童心理司

Kさん

2つの自治体で児童心理司として勤務経験があるKさん。児童相談所で働くことの思いや、やりがいについて語っていただきました。

これまでのご経歴を教えてください。

大学院で心理を専攻し、ある自治体に心理職として就職しました。児童相談所の児童心理司として4年間勤務し、今は別の自治体に転職し、同じように児童相談所で児童心理司をしています。今の自治体では3年目になります。

児童心理司を目指すきっかけは何でしたか?

大学院時代に、外部実習で児童精神科の思春期の入院病棟に1年間行かせてもらいました。その時に児童領域に関心を持つようになり、就職活動をしているときに、最初に就職した自治体の心理職の募集があったため、応募しました。

現在はどのようなお仕事をしていますか?

児童心理司として、こどもの性格や特性、虐待の影響などを心理学的にアセスメントしたり、こどもと定期的に面接を行って心理的ケアを行ったりしています。また、児童福祉司などの多職種と連携し、ケース対応について心理的な側面から意見を述べたりしています。

児童相談所で働く前は、児童相談所に対してどんなイメージを持っていましたか?

児童相談所は行政機関でもあり、「堅い」とか「冷たい」というイメージがありました。
でも実際に働いてみると、そのイメージとのギャップがすごくありました。前の児童相談所も今の児童相談所も、すごく熱い方が多く、人間味を感じるシーンが多いです。こんなに笑ったり、時には泣いたり、感動したり…こういうシーンがこんなにたくさんあるんだと思っていなかったので、それも含めて児童相談所の面白みかなと思います。

児童相談所の仕事のやりがいはなんですか?

単純に、日々接しているこどもと一緒に楽しく過ごせたり、こどもから「相談してよかった」と言ってもらえると、すごく嬉しい気持ちになります。
また、保護者の方や児童相談所の同僚、関係機関の方も含め、いろんな方とチームとなって協力しながら進めている中で、一緒に悩みながら、良い成果が出せたり物事が前向きに進んでいるときには、この仕事をやっていてよかったと感じます。
保護者と関係ができてくると、笑ったり、泣いたり、時には怒られたりするときもあります。怒らせてしまった場合でも、関係を回復して、また一緒に「次の課題に向けて頑張ろう」という関係に戻れた時には、とてもやりがいを感じます。

児童相談所で働き始めて、ご自身の考え方や価値観に変化はありましたか?

心理職は、こどもの心理的ケアに関して万能な存在では決してなく、限界や役割があります。そうした点をしっかりと考えながら仕事をするようになりました。逆に、こどもや同僚に対しても、限界やその方の役割なども踏まえながら、関われるようになりました。

仕事で「大変だ」と感じることはなんですか?それをどのように乗り越えていますか?

支援の方向性は見えているのに、ご家庭や児童相談所の同僚を含めてチームワークがうまくいかないときは、すごく大変だし頭を悩ませます。課題やゴールが見えていても、人間関係の中で、自分がどう動くべきだろうか、という点はよく悩んでいます。

児童相談所で児童心理司として活躍できる方はどんな方だと思いますか?

経験が長い・短いにかかわらず、こどもや保護者に対して感じる「もやもや」や「違和感」は、児童心理司同士ではぶれないなと感じています。その「もやもや」をそのままにしてしまうと、例えば本当は届けなければいけないこどもの声を見過ごしてしまうことになりかねません。自分が感じた「違和感」や「もやもや」をうまく発信して、解消に向かって動ける人が向いていると思います。

「児童相談所で働くこと」を一言で表すとなんですか?

「喜怒哀楽」がある場所ですね。いろいろなことに笑ったり、怒ったり、泣いたり、悲しんだりしながら日々働いています(笑)

児童相談所で働きたいと思っている方にメッセージをお願いします

児童相談所では、いろいろな家族のいろいろなシーンに立ち会います。そういう時には、こちらの気持ちも揺さぶられ、動きます。ただそれは決して悪いことではないので、何かを感じている自分を意識しつつ、隠さずにオープンにしながら、チームで働いていけると良いと思います。